2016.08.21
野球肘⑤(外側型・離断性骨軟骨炎)
「離断性骨軟骨炎(OCD)」とは少年期の野球肘の中で最も気を付けなければいけない疾患で、関節に発生するため肘だけではなく足首、膝、股関節にも発生しますが、肘に発生するものでは肘の外側(上腕骨小頭)に発生するケースが多いです。
肘関節といってもその中に何種類か関節がありその中の腕橈関節と呼ばれる関節が不良な投球フォームや、投げ込み過多のせいで関節面同士が衝突し損傷を起こしてしまいます。
初期症状は投球時の痛みのみで痛みそのものも軽度なものですが、症状が悪化してくると運動時以外の安静時痛、関節可動域制限や関節のロッキング症状まで引き起こします。
損傷を起こした軟骨が遊離してしまうと関節遊離体(関節ネズミ)になってしまい運動をしていると突然激しい痛みと関節のロッキング症状が現れます。
少年期(12~15歳)に好発し、軽度な場合は保存療法での治療が可能ですが症状が悪化しているものは手術の適応になる場合があります。
肘の外側の痛みは重症化する可能性があるため痛みを感じた場合は早めの治療をお勧めします。