2016.08.18
野球肘④(外側型・外側上顆炎)
野球肘の中でも内側型が最も多いのですが肘の外側にダメージ、痛みが出てくる場合があります。
この場合は野球肘の外側型と呼びます。
肘の外側には主に手首を上げる、指を伸ばすなどの筋肉(前腕伸筋群)が付着しており、あまり投球時に使う筋肉はありません。
しかし実際野球のプレーヤーで「肘の外側が痛い」と来院された患者さんは何人もいらっしゃいます。
投球フォームの中では腕を振って加速させてリリースするまでの間が肘に一番負担がかかるといわれています。
リリースの際に手首のスナップを強く意識している場合前腕屈筋群が強く働きますが前腕伸筋群は拮抗筋(逆の働きをする筋肉)であり屈筋群が強く収縮されれば逆に強く引き伸ばされます。
筋肉の柔軟性にかけている場合強く引き伸ばされた結果前腕伸筋群で炎症を引き起こしてしまいます。
これを外側上顆炎と呼び、一般的には「テニス肘」と呼ばれたりします。
しかしまだ外側上顆炎は軽い症状の方ですが少年期の野球肘外側型には最も注意すべき「離断性骨軟骨炎」という疾患があります。
次回は離断性骨軟骨炎について紹介したいと思います。