2016.12.04
肩関節唇損傷
肩関節には関節の安定を図りクッションの役割を果たす「関節唇」と言われる繊維製の軟骨が存在します。
関節の動きの中で肩関節は肩回りの筋肉(腱板)とこの関節唇によって運動中の動きの中で上下左右にぶれないように安定を図り衝撃を和らげる働きがあります。
野球選手のスポーツ障害の中で発生しやすく、他には円盤投げ、やり投げ等肩関節を酷使するスポーツに多くみられ、転倒や交通事故などで肩を強打してしまうなど直接的な外力が加わってしまうと損傷してしまう場合があります。
丸い円形の形をしている関節唇ですが一度損傷してしまうと運動時の痛み、肩関節の不安定性(肩が抜ける感じや引っかかる感じ)などが発生し、一度損傷してしまった関節唇は自然には修復しません。
関節唇損傷の中でも関節唇の上方が損傷してしまうことを「SLAP損傷」と呼び、上腕二頭筋の長頭が上方関節唇に付着しているため強力な牽引力によって付着部の損傷、剥離が発生してしまいます。
関節唇は軟骨組織であるためMRIが使用され、画像による確定診断が行われ、その際の画像の結果次第では保存料法なのか手術の適応になるのか診断が行われます。
保存療法ではまず安静を図り炎症を引かせることが第一優先となり、投球、投てき種目によるものの場合はフォームの修正によって肩関節への負担を軽減することも必要です。
肩関節周囲のインナーマッスルを鍛えることで失われてしまった安定性を筋肉によって補助することができるため、スポーツに復帰するためにはインナーマッスルを鍛えることが必要となります。
ただし損傷が重度の場合や痛みが何度も繰り返し出現するなどの場合は手術が適応になることがあります。
関節鏡視下手術を行い関節唇の損傷部位の切除やクリーニング、損傷がひどい場合は修復術が行われます。
腕を振るスポーツにおいて関節唇損傷はかなり厄介な症状です。
上記の症状がある際は一度ご相談ください。