2016.11.24
下腿三頭筋肉離れ (治療、処置)
過去に「肉離れ」の記事を記述したことがありますが、日常生活において発生率が多いのが「ふくらはぎ」(下腿三頭筋)の肉離れです。
ふくらはぎは腓腹筋(内側頭、外側頭)、ヒラメ筋から構成させており、足関節の屈曲(足首をたおす、地面を蹴る、つま先立ちなど)の作用があります。
日常生活中やスポーツ現場では階段を下りた際や、ランニングやダッシュの途中などにふくらはぎに鋭い痛みが走り(後ろから蹴られたなどの表現をする方もいるようです。)その後の歩行が困難になるケースがよく見られます。
筋肉の組織に損傷が起きており、本来の作用である足関節の屈曲ができなくなるため症状の重い患者さんは来院時、痛めた側の足首を動かさず、すり足で歩く歩き方をする患者さんが多いです。 なぜならその歩き方が損傷した組織を動かさない歩き方であり、最も痛みの少ない歩き方だからです。
下腿三頭筋の肉離れは内側頭に好発しやすく、筋肉の損傷の度合いによっては皮下出血班が見られることもあり、日が経つにつれて重力により下に下にさがっていくことがあります。
また、受傷直後は筋肉の損傷により炎症反応が強く出ているため患部を冷却した後に損傷した組織を守るため固定法を行いますが、損傷度合いに応じてふくらはぎの包帯法だけではなく足関節の固定も行う場合もあります。
これは足関節の運動に下腿三頭筋が関わっており、運動を制限することで損傷部位を守るために行っています。
この処置で歩けるようになることが多いですが、それでも痛みがひどく歩けない場合は松葉杖の貸し出しも行っています。
受傷から約二週間ほどで筋肉のサテライト細胞が筋組織を修復して行き、それにつれ状態に応じて固定法も包帯固定から取り外しのきくサポーターに変わっていきます。
筋肉の圧痛、患部に負担をかけた際の痛み、動き、受傷からの経過日数などを加味して固定を外してリハビリに移ります。
リハビリは筋肉の柔軟性の獲得、関節可動域の改善、固定によって衰えてしまった反射神経の回復などを目的に行います。
当院では、柔軟性を高めるストレッチボード、反射神経を取り戻すバランスクッションを使用し、患者さん自身がご自宅でできるリハビリの方法をアドバイスしていきます。
ふくらはぎの痛み、スポーツ中のケガなどは一度ご相談ください。