膝詳細

後十字靭帯損傷(断裂)


前十字靭帯と対になる後十字靭帯という靭帯が膝に存在します。

膝関節の安定性を保つために必要な靭帯の一つであり、脛骨(すねの骨)が後方に落ち込む、ずれるのを防ぐ、内旋動作の制限などの役割があります。

前十字靭帯とクロスするように大腿骨と脛骨に付着しており、どちらかが損傷、断裂をしてしまうと、関節の安定性が失われ歩行時、運動時などに膝がグラグラするといった症状が現れます。

損傷後の急性期は関節内で出血が起こり関節の腫れが見られるようになり、体重をかけての歩行が困難になる場合もあります。

後十字靭帯損傷の最大の特徴は落ち込み兆候(サグサイン)と呼ばれる現象で、患者さんに別途に寝て頂き股関節、膝関節を屈曲させ地面と水平な位置まで下腿骨を持ってくると健側に比べ患側の下腿骨が後方にずれる(落ち込む)現象です。

 

後十字靭帯を損傷するパターンはスポーツ中、日常生活中などに膝を正面から強打して損傷するケースが多いです。

前方からの急激な外力で後方への力を靭帯が制御しきれず損傷してしまいます。

 

後十字靭帯を損傷した場合主に手術は適応されずリハビリ治療が選択される場合が多いです。

前十字靭帯と比べ二次的(損傷した後の)骨軟骨損傷や半月板損傷が発生する確率が低いため保存的治療が選択されます。

ただし損傷度合いが高い場合やリハビリ後も膝の不安定感が大きい場合やスポーツ復帰が困難な場合は手術が適応になるケースもあります。

リハビリとしては主に膝関節の可動域の保持と膝関節周囲(大腿四頭筋、ハムストリングス)の筋力トレーニングを行います。

関節の支持機構である靭帯が通常よりも緩くなってしまっているため筋肉を太くすることで関節の安定性を図ります。

 

当院ではリハビリにおいての可動域訓練、筋力トレーニングなどの指導も行っております。

ある小学生の患者様は、武道をしており高いところから飛び降りた際に受傷され当院に来院されましたが、患部に腫れが大きく発生し上記の落ち込み兆候が見られたため後十字靭帯損傷と診断し治療を開始しました。

 

受傷から約2週間患部の安静、炎症反応を抑える目的で包帯固定を施し、2週間以降は電気治療に加え膝関節の可動域を保持するためのストレッチ、一キロの重りを足に巻いて足の上げ下げを行う筋力トレーニングを行い約二か月半治療を行い現在はスポーツに復帰しています。

 

後十字靭帯を損傷すると膝に激痛が走ります。そのような際にはご自身で判断せずぜひ一度ご相談ください。

 

 

 

 

 

 

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