2016.07.31
RICE処置(外傷の応急処置)
夏の本番も近づき高校野球など学生スポーツも大会シーズンになってきました。
スポーツの現場においてケガはつきものですがケガをしてしまった直後の応急処置の有無でその後の痛みなどが大きく変わることがあります
一般的に打撲や捻挫をしたときは冷やしておくのが良いとされていますがなぜ冷やすのが良いのかわからない方がほとんどだと思います。
医療従事者の間ではRICE(ライス)処置と呼ばれ応急処置の基本的な考え方とされています。
RISE処置の「RICE」とは
R・・・Rest(安静)
受傷直後は患部は少なからず損傷しています。患部を安静にさせずそのまま動かしていると損傷組織の修復が遅れてしまいます。
結果的に完治までの時間が遅くなってしまい、痛みと戦う時間が長くなってしまいます。
さらに靭帯損傷の場合、受傷直後から安静固定をしていないと靭帯の修復が滞ってしまい受傷前よりも靭帯が緩く修復されてしまう場合もあります。
そういったことを防ぐためにも受傷直後の患部の安静が重要になってきます。
I・・・Ice(冷却)
患部を冷やすことで痛みの感覚を鈍らせ痛みを抑えるとともに血管を収縮させ腫れ、炎症を抑える効果があります。
C・・・Compresson(圧迫)
患部が損傷していた場合毛細血管などから出血が起こり数時間後、数日後に患部が腫れてくる場合があります。
患部に適度な圧迫を加えることで炎症、腫れをコントロールすることができます。
ただし、注意していただきたいのは過度な圧迫は阻血症状を引き起こすことがあり、痛みの悪化、しびれ、むくみなどを引き起こすためそれらを感じた場合は圧迫を緩めることが重要です。
E・・・Elevation(挙上)
患部に内出血が起きている場合腫れてくる場合がありますが、足であれば長時間座っていたり、手であれば下に垂らしていたなどがあると重力によって内出血が患部から下に溜まってしまう、むくむなどの現象が起きてしまいます。
ふくらはぎの肉離れなどで足首など痛くないのに数日後に見てみると足首周りが紫色に腫れ上がっていた。
足首の捻挫で何日か経ったら足先がむくんできた。
などの現象が起きる場合があります。
そういった状況を回避するために椅子に座っているときは台に患部を乗せる、寝ているときは布団を丸めて台を作って心臓より足を高くして寝る、などの工夫が必要になってきます。
心臓より患部を高くすることで重力によって内出血が下に落ちていくのを防ぎむくみを防止する働きがあります。
捻挫などの外傷に出会ったときにどう対処してよいのかわからない場合が多いと思います。
そういった時は上記のRICEの四種を行っていただければ応急処置を行うことができ、その後の痛みが変わってくる場合もありますので是非頭の片隅にでも置いておいてください!!!