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野球肘②(内側型)


野球の投球フォームでにおいてボールが手から離れる際に手首をスナップさせる動作がありますが、その際に関係してくるのが肘の内側に付着する「前腕屈筋群」と呼ばれる筋肉があります。

前腕屈筋群の中には手首を曲げる、指を曲げる、手首を内側に捻るなどの働きがあります。

野球の練習でボールを投げすぎたり、投球フォームの悪さのせいで過剰にその筋肉を使いすぎてしまったりしてしまうと肘の内側の骨に痛みを感じることがあります。

これを「上腕骨内側上顆炎」と呼びます。

 

まだこの状態ではレントゲン上に明らかに映るダメージはなく練習を中断させ安静を図ることで早期復帰もできる比較的軽い状態なのですが、その状態のままプレーを続けていたりしてしまうと、筋肉、靭帯が骨を引っ張って骨を引きはがしてしまう「上腕骨内側上顆裂離骨折」に移行してしまう可能性が出てきてしまいます。

 

さらに小、中、高校生の成長期限定で「骨端線」という軟骨があり本来その骨端線が骨化していくことで成長していくのですが骨端線は骨より強度が脆弱なため過度な負担がかかり続けると骨端線にが離れてしまうことがあります。

この状態を「骨端線離開」と呼びます。

骨端線離開は固定を行わず練習を続けていると骨化が進まず骨が伸びなくなってしまう成長障害を引き起こしてしまう可能性があるため非常に注意が必要です。

 

どちらも成長期の子供に多いという特徴はありますが裂離骨折は9~12歳。骨端線離開は13~15歳に多いという微妙な違いがあります。

 

痛みが出てすぐの急性期、痛みを我慢してしまい受傷からしばらく経ってしまった慢性期の違いで症状に差はあるのですが、症状が悪化してくると肘の曲げ伸ばしができなくなる(可動域制限)安静時の痛みなどが現れてくるようになります。

 

学生野球では肘に負担のかかりやすい投球フォームになっている選手が多いですが、年齢が若いと筋肉の柔軟性が高く筋力も弱いためすぐに症状が現れないととも多くあります。

しかし学年が上がり筋力が増え毎日の練習で筋肉に疲労してくると柔軟性が失われ骨に負担がかかってしまう恐れがあります。

 

当院では野球経験者の先生が2名おり野球のプレーやフォームの相談に乗ることもできますので、肘の痛みを感じたら早めにご相談ください。

 

 

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