2016.09.22
骨化性筋炎
スポーツをやっている方であれば必ず打撲はしたことがあると思います。
しかし打撲の処置、管理を間違えてしまうと合併症を引き起こしてしまう場合があり、その一つに骨化性筋炎があります。
異所性骨化とも呼び、筋肉の炎症からカルシウムが付着し石灰化が起こり筋肉の組織の中に骨が形成される現象です。
主に打撲後の合併症として出現しやすく、打撲によって筋肉が損傷を起こし、筋肉内で出血を起こします。
その出血が筋肉内で溜まり「血腫」となります。その血腫が骨化していき炎症を引き起こすのが骨化性筋炎です。
受傷と共に血腫が形成される→血腫が吸収されたのちカルシウムが沈着し石灰化を起こす→石灰化が広がりレントゲンで確認できるようになる→患部を動かすリハビリで骨化していた部分が小さくなっていく
これが骨化性筋炎のメカニズムです。
空手やサッカー、バスケットボールなどのコンタクトスポーツに多く発生し、大腿四頭筋の打撲、肉離れなどが発症の原因となることが多いです。
症状
大腿部の腫れ、膝関節の屈曲制限、運動時の痛み(軽度な場合は安静時には痛みが引くが、重症化すると安静時痛が出現する)
以上が特徴的な症状ですが、最初のうちは打撲の症状なので痛みに我慢強い人やチーム事情で休めない人はテーピングや固定をして運動を続けることができてしまうかもしれません。
ただ、通常の打撲であれば2~3週間で痛みは引きスポーツに復帰することができると思いますが、一か月以上上記の症状が現れる場合は骨化性筋炎を疑わなければいけません。
治療
レントゲン検査を行い筋肉内にできた骨性組織を確認した場合、骨化性筋炎の診断となります。
治療は安静を基本とし安静中は大腿四頭筋に負担をかけないため運動等を禁止し電気療法や固定するなどの方法があります。
骨化性筋炎の予防のためには、受傷後は前述したRICE処置を行い痛み、腫れなどが引くまで安静にしておくことが予防策になります。
一か月以上腫れ、痛み、屈曲制限が残っている場合やチーム事情で痛みがありながらプレーを続けている場合は要注意です。