2017.01.26
ギヨン’(ギオン)管症候群①
過去に手のひらの親指側~中指が痺れたり感覚低下が起きる正中神経が圧迫される「手根管症候群」の記事を記載しましたが、今回は薬指、小指に同様の症状が発生する「ギヨン管症候群」について紹介したいと思います。
前腕の小指側の感覚神経を司る尺骨神経ですが指では小指と薬指の運動、感覚を司っており尺骨神経が圧迫されたり損傷したりしてしまうと,痺れや感覚障害、麻痺を引き起こしてしまう可能性があります。
ギヨン管とは有鈎骨と豆状骨の間を通り靭帯に覆われる管のことです。
ギヨン管の中を尺骨神経と尺骨動脈が通り、その部分で神経が圧迫されるとギヨン管症候群の症状が発生してしまいます。
症状
・4指、5指の感覚障害、痺れ
・症状のない方の手(健側)に比べて手の筋肉が細くなる(筋委縮)
・4指、5指が曲がったまま伸びなくなる(鷲手)
・指の対立運動がうまくできない
・箸やペンをうまく扱えない
などがあります。
同じく尺骨神経が圧迫される「肘部管症候群」でも同様の症状が起きることがあります。(肘部管症候群についてはこちら)
ただ、痺れの出る場所に違いがあり肘部管症候群では手首の手前からから4,5指にかけて痺れが見られますが、ギヨン管症候群では指先にしか症状は現れず、手の甲側には症状が出ないことも特徴です。